【書評】グーグルのマインドフルネス革命

「グーグル」と「マインドフルネス」の2つのキーワードに惹かれて購入した本。あと、心が荒みがちだったから惹かれたのかも(笑)

内容はGoogleで実戦している人が増えているマインドフルネス瞑想に関する本。Googleでの取り組みと実際の実戦方法、今後の展望などがうまくまとめられている。

付属のCDもなかなかよくできていて、これをリッピングしてスマフォにいれておけば、どこでも瞑想の実践が出来そうだし、実践系のCDにありがちな「せかす感じ」は無く、ゆったりと気軽に実践できる、とても良いガイダンスになっていると思う。

コンピュータに関わる業界以外でも「心が疲れている」「何か試してみたい」「瞑想に興味がある」という人にはお勧めの一冊です。

 

 

【書評】「あまのじゃく」に考える

 
要約すると「物事の考え方や捉え方」「自分の精神的な立ち位置の置き方」について書いてあります。
 
一章から強烈に”「自力で考えない人」は、生きていないも同然”という表題で始まります。
ここでいう「自力で考えない人」というのは「テンプレートに従ってしか考えられない人」「そもそも思考停止している人」の事を指しています。ならば「自力で考える人」というのはどういう人かというと「自ら問いを立てられる人」「どんな些細なことでも、誰も考えたことが無いような考え方で考える」人という感じで定義されています。
 
そして、上記のように考えると「人とは違っている(周りから見て)異物感のある自分」の発見につながっていきます。本来は「人はそれぞれ異質」なはずなのに「ある程度同質な人」が固まって小さな世界を作り異物排除し、これが世の中の閉塞感に繋がっているのでは無いかと推察し、「お互いの異物感」を認め合って暮らしていける社怪になればいいな、と結んでいます。
 
自分の考え方や物事の捉え方、生きていく上での立ち位置などに思いを巡らせて読むと、心の中がすっきりとします。
 
なんとなく閉塞感を感じている人、周りとの差違を感じている人などは一読の価値がある良書です。なんとなく心が疲れているな、という人は読んで損は無いかと。
 

下手な要件休むに似たり

一般的にシステム開発を行う場合、要件定義が重要というのはよく言われることだ。なぜならどんなシステムを作るかの大枠を要件定義で決めるからだ。ここがある程度の方向性を持ってまとまっていないと、その後の設計以降にも多大な影響が出てしまうので、あまりに間違っていると最悪作り直しになったり、まるで融通の利かないシステムや、一見動いているけどもちょっと変更するとすぐあちこちが壊れるシステムなどが出来上がってしまう。
 
しかし、だからといってあまりにこだわりすぎると開発自体が進んでいかなくなるので、ある程度の見切りは重要だ。業務用のシステムならある程度のパターンがあるので割ときっちりと要件定義を進めていける事も多い(それでも完璧、というのは見たことがない)が、新しい物や実験的な物を作る場合は要件定義にこだわりすぎると、だいたいつまらないものが出来るか、そもそも完成しない事も多い。
 
社内で新しい物や実験的な物を作る時に「みんなで考えて」というセリフが出た場合は特に要注意だ。これが「多数からアイデアを求める」という意味ならまぁ悪くは無いが、たいていの場合は「みんなの合意を得て」「計画的に」「予算を見ながら」という過剰な縛りがかかるので、何も決まらずプロジェクトも進まず空中分解したり、出来たとしてもどこかで見たような物になってしまう。
 
こういう場合はある程度の欲しい物の大枠だけをざっと要件として決めてしまい、その後は実際にプロトタイプをある程度作ってそれを評価してその結果をフィードバックしてまた修正をして、というサイクルを回していくのが良い。大体において人は(特に管理職層は)動いている物を見ないと話が進まないし、逆に動いている物をみる事で要件に対して色々悪い部分も良い部分も見えてくるものだ。
 
もちろんだらだらとやり続ける訳にはいかないので、ある程度期間を決めておいてその期間内で進行してくのが良い。いわゆるアジャイル開発のノリだ。これである程度動くプロトタイプを作り、それを要件としてきちんとした製品版の作成に取りかかるのが最善であろう。
 
こういう事を言うといきなり作り始める輩がいるので注意が必要だ。どんな適当な旅をするにもある程度の向かう方向を決めるように、開発するにもある程度の目的地は必要なのだから。もし作り始めたあとにまるで違う方向を向いていることが分かれば、それは良いフィードバックになるので逆を向いてさっさとやり直せば良い。
 
一番悪いのは要件ばかりこねくり回して何も進まないことだ。ペーパーウェアは売り物にならないし(たまに無理矢理売っているのも見かけるが、買った人には災難と言うしか無い)机上ばかりでは何も進んで逝かないのだから。